写真集45:「追分駅構内」
北海道中央部に位置する追分駅は室蘭本線と夕張線の分岐する駅で現役蒸気機関車が最後まで残った駅でした。この駅に降り立つのは35年ぶりとなります。
午前中(栗丘で撮影)はなんとか雨が降らずに持ちこたえましたが、追分駅に着いた頃には本降りなってしまいました。当時は駅の反対側に行く術は踏切を渡っていくしかなかったですが、今は跨線橋があり追分構内や行き交う列車を見下ろしながら歩いて渡れます。かっては沿線から運び出される石炭列車の貨物が頻繁に駅を通過していきましたが、今は当時の賑わいは無く、たまに石勝線の特急列車が通過して行きます。
・・・1975年が暮れようとしています。12月14日、室蘭本線でC57135が牽引する客車列車、12月24日には夕張線でD51241が牽引する貨物列車の最後が運行され、蒸気機関車の働き場所は追分構内の入れ替え作業のみとなっていました。旅館では紅白歌合戦の様子が流れていました。その音を聞きながら撮影の為の身支度を整え、旅館を出ます、雪が絶え間なく落ちてきます。追分構内では9600が入れ替え作業中で静まりかえった町にドラフトの音が響き渡ります。D51廃車群、追分機関庫を撮影した帰り道、追分駅構内の端で 39679 が停車していました。最後のカットを切ったはずがここでもう一枚撮影することに、三脚をセットしバルブ撮影を開始、レリーズを握り、時計を見ながら機関車を眺めていると!なんと機関車が前方に動き出してしまいました。しかし、機関車がカメラの画面からフレームアウトするまでレリーズはホールドしたため前照灯のラインが尾を引くようになり機関車いたところの後の景色がかすかに映る幻想的なシーンになりました。・・・
1976年4月13日、突然のニュースでした。追分機関庫が焼失・・。蒸気機関車の歴史として保存用と言う事で大事に庫の中で保存されていたD51241,D51465,D51603,79602や新製配置のディーゼル機関車等見るも無惨な姿になってしまいました。今現在、安平町鉄道資料館にはD51320がD51241に変わって保存されています。日によっては外に出ることもありますが訪れた日は外に出されることなく正面の顔を見るだけになりました。今にも動き出しそうなぐらい完璧な保存状態です。ここにあるべき機関車(D51241)が無く、廃車の運命だった機関車が生き残った、数奇な運命を感じてしまいます。
39679も廃車になりナンバープレートは埼玉県「鉄道博物館」に保管・展示されています。正面の形式プレートはどこにあるのでしょうか?(2010年9月)
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